2010年5月14日金曜日

議会のヤジ その1~ヤジにも良い悪いがある?~

 議会にヤジはつきもの、といわれます。多くのみなさんには、国会中継でおなじみかもしれません。もちろん、地方議会でも「ヤジ」はたくさんあります。一般的に、人の話している時は、まず黙って聞くものです。ですから、なぜ「ヤジは議会の華」といわれるのか不思議かもしれません。はじめて議会を傍聴に来た人から「あまりにひどくて気持ちが悪くなった」という感想を聞いたことがあります。
 「質問の程度が低いぞ」「てめえ、いい加減にしろ!」「何年議員やってんだ」「お前なんか、人間として劣っている」などなど。言われた本人だけでなく、ヤジをあびている発言者に、日ごろ批判的な議員でさえ、聞くに耐えないヤジがあるのも事実のようです。
 では、静かな議会がよい議会なのでしょうか。発言者と首長(や部課長)が、淡々と当事者同士だけでやり取りをして終わる。20人も30人も議会にいるのに、「しーん」としたなかで2人しか話をしていない。それが「議論の場である議会」といえるのかどうか…
 もちろん、発言を妨害したり、人格を貶めるヤジは言語道断です。議場は一般社会と同じですから、そんなヤジは許されるわけがありません。ヤジは発言する者の人間性が表れるといえます。ヤジは「不規則発言」と呼ばれ、あくまでも私語です。あまりにひどい場合、懲罰の対象になります。
 しかしヤジは、発言を聞いているからこそ生まれるものです。何十人もいる議会でまったくヤジがなかったとすれば、もしかするとまったく聞いていないか、寝ているのかもしれません。異論があったら何か言いたくなるのが人情というもの。ヤジがないのは、発言に異なった見解をもつ議員をいらだたせるような本質を持ち合わせていないからだといったら言いすぎでしょうか。