この春の地方選挙は、前にもお伝えしたように、半分以上の州政府の選挙が行われます。そして、2008年初めに行われた国政選挙の中間年(解散がなければ次の国政選挙は20013年)にあたりますので、その帰趨で次の国政も決まると考えられています。特に中道左派を糾合しようとしているイタリアの民主党にとっては、ベルルスコーニ中道右派政権のスキャンダルもあって、政党としての勢力を拡大する絶好の機会と映っているようです。
州政府選挙の手順は、各政党による候補者リストの作成からはじまります。州政府の選挙では、州知事とその多数は与党になるグループを一体的に選出する方法をとります。これは県や市町村でも同じです。なお、国政選挙でも、トップリーダーを立てて、政党連合同士の争いをして、多数派を技術的に形成するという選挙システムが機能していることは同様です。
さて、今回の州政府選挙では、各政党とその連携勢力は、2月中旬までに各党の候補者、リーダー(知事候補)となる人物選び、連携相手の交渉を済ませなければなりません。各党の届け出は、選挙運動が本格化する投票日の30日前(法定の選挙運動期間)に行うことになっており、郡の管区中央事務局に届け出がされます。この届け出は、2月26日の金曜日午前8時から午後8時まで、27日の土曜日午前8時から午前12時までになっています。なお、リストの訂正は後日できますが、これも委員会の決定を待たなければなりません。いよいよ本格的な選挙運動の開始です。
さて、投票は、3月28日日曜日の午前8時から午後10時までと29日月曜日の午前7時から午後3時までになっています。さらに、地方選挙独特の方式ですが、州政府選挙では、有効票数の50%を超える絶対多数を取らないと政権担当ができない仕組みになっています。そこで、6月には2回目の投票が行われるスケジュールになっています。もちろん、1回目で50%を超える得票があれば、2回目はありません。
このピエモンテ州でいえば、現職のメルツェデス・ブレッソさん(余計かもしれませんが女性ですし、ブラ市長もそうですし、女性の首長は結構たくさんいらっしゃいます)が、民主党や中道左派のグループと一緒に出馬していますし、対抗馬としてはロベルト・コータさんが北部同盟のメンバーですが中道右派と連携して出馬しています。そのほか2人のり候補がありますので、仮にですが、1回目の投票でブレッソさんが50%超をとれなければ、2回目の投票におそらくブレッソさんとコータさんが進むことになります。なお、2回目の投票に向けて政党の連携リストを組み替えることが認められています。
2010年3月28日日曜日
新川達郎のイタリア通信13号~選挙の手続きはどうなっている?~
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