朝日新聞の京都版「京のあしたへ」の連載“議員力を問う”のタイトルで共同代表・新川達郎へなされたインタビューの一部です。
全文は下記で、お読みください。
http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000221104050004
――「議員力」とは。 わかりやすく言えば、議会を動かす能力。議会制度や法律の知識をはじめ、議会運営の技術と実践力など、民主主義社会を担う代表者としての力量です。
しかし現実には、公共のための政策を議論し、決定すべき立場の人たちが党利党略に明け暮れている。多くの地方議会が首長提案の議案をほとんど否決せず、修正すらしない。まともな議員提案の条例もない。こんなことで行政を監視していると言えるのか。
一方で、国民の視線も気になる。政治不信や政治家へのバッシングが極端に進み、地方議会不要論さえ出てきた。こうした傾向は、民主主義社会の否定につながるものです。
そんな危機感から2年前、学者仲間らと議員力検定を始めました。これまでに4回実施し、地方の現職議員や議員をめざす人たち約600人が参加しました。
(略)
――議員力検定を通じて変えたいことは何ですか。 議員として足りない点、伸ばさないといけない点に気づき、議会活動に反映させてもらえれば理想的です。最難関の「議員1級」に受かった若手の議員らが地域を越えてネットワークをつくるなど、おもしろい動きも出てきた。そういう人たちが一つのモデルとなり、議員を志す人が増えてくれればうれしい。
――まもなく投票です。 市民の側も選ぶ力が問われる。民主主義を使いこなす「市民力」です。わが利益代表を選ぶのではなく、どういう選択がより多くの人の共通の利益になるかを考えること。候補の主張を見極め、判断する力が求められます。
2011年4月7日木曜日
「議員力を問う」インタビューより
2010年5月16日日曜日
議会のヤジ その2~ヤジあれこれ~
さて、ヤジが出現する背景には、議会での議論の方法に問題があるといえます。通常の会話や会議では、関わる人が入れ替わり発言するものです。しかし、議会は違います。議長(または委員長)の許可がないと発言できません。許可された人しか発言しないので、発言内容が首長に向けられることがほとんどのこれまでの傾向からすると、議員-首長という議論しか行われないことになるのです。とくに一般質問(や代表質問)では、形式的にも執行機関向けになってしまい、1対1の発言になります。そこで、明らかに間違った質問や不十分な答弁があった場合、どう関与するのかという問題が発生します。「議長に対して議事進行の動議を出し許可を得て発言する」という方法が正規の手続きです。しかし、これをいちいちやっていては逆にやり取りを妨害することにもなりかねません。
そこでヤジの登場です。
「わが国の失業者数360人だが、わが市の雇用情勢はどうか?」(ヤジ 「360人しかいないの?」)
「すいません、360万人です、訂正します」
ということになります。この場合のヤジは、助言です。
「市長は業者からどのような接待を受けたのか」(ヤジ お前だって清廉潔白じゃないだろう、昨日、どこぞの店に入っていくの、見たんだぞ)
これは、事実だとしても私生活を暴露する問題あるヤジです。また、通常、意見が合わない議員同士でも、発言が妥当だなと思った場合、
(ヤジ もと看護士さんが言うのだから間違いないだろ、がんばれ)
(ヤジ そのとおりだ、市長しっかり答えろ)
というような場合もあります。これは激励のヤジといえるでしょう。
ある議会で本当にあった話だそうです。賛成討論中(中身はほとんど反対)、S党の長老議員が「何なんだ、こんな議会、やってられるか」とヤジを飛ばし議場から出て行きました。そののち長老議員は議場入り口から議場に向かって手招きをしたといいます。するとJ党やK党の議員がぞろぞろ出て行ったというのです。どうやらそのヤジは発言者に向けられたのでなく、議長に対して揺さぶりをかけるためのものだったようです。半分くらいの議員が出て行った後、議長は休憩を取りました。議長は発言者を議長室に呼び「発言をやめてもらえないか」というのです。発言者の議員が「できない」というと、議長は長老におうかがいを立てたようで、「内容を少し変えてくれればいいから」と。仕方がないので、さきほど発言した討論原稿の前半部分と後半部分を入れ替えて渡したそうです。ほどなく議長は戻ってきて「これで、いいそうだ」と安心した表情でだったそうです。内容はまったく変わっていません。○○△△ を△△○○と言い換えただけにもかかわらず、です。
このように、ヤジは発言者だけに向けられていない場合もあるということなのです。しかし、こんな駆け引きは、一般の傍聴者にとって、何が起こっているかわからないというのも事実です。
2010年5月14日金曜日
議会のヤジ その1~ヤジにも良い悪いがある?~
議会にヤジはつきもの、といわれます。多くのみなさんには、国会中継でおなじみかもしれません。もちろん、地方議会でも「ヤジ」はたくさんあります。一般的に、人の話している時は、まず黙って聞くものです。ですから、なぜ「ヤジは議会の華」といわれるのか不思議かもしれません。はじめて議会を傍聴に来た人から「あまりにひどくて気持ちが悪くなった」という感想を聞いたことがあります。
「質問の程度が低いぞ」「てめえ、いい加減にしろ!」「何年議員やってんだ」「お前なんか、人間として劣っている」などなど。言われた本人だけでなく、ヤジをあびている発言者に、日ごろ批判的な議員でさえ、聞くに耐えないヤジがあるのも事実のようです。
では、静かな議会がよい議会なのでしょうか。発言者と首長(や部課長)が、淡々と当事者同士だけでやり取りをして終わる。20人も30人も議会にいるのに、「しーん」としたなかで2人しか話をしていない。それが「議論の場である議会」といえるのかどうか…
もちろん、発言を妨害したり、人格を貶めるヤジは言語道断です。議場は一般社会と同じですから、そんなヤジは許されるわけがありません。ヤジは発言する者の人間性が表れるといえます。ヤジは「不規則発言」と呼ばれ、あくまでも私語です。あまりにひどい場合、懲罰の対象になります。
しかしヤジは、発言を聞いているからこそ生まれるものです。何十人もいる議会でまったくヤジがなかったとすれば、もしかするとまったく聞いていないか、寝ているのかもしれません。異論があったら何か言いたくなるのが人情というもの。ヤジがないのは、発言に異なった見解をもつ議員をいらだたせるような本質を持ち合わせていないからだといったら言いすぎでしょうか。
2010年4月15日木曜日
新川達郎のイタリア通信最終号~州政府選挙で政治はどう変わる~
立て続けで恐縮ですが、選挙投票日になりましたので、少し選挙の状況をお伝えします。これがアップされる頃には、さまざまな速報が伝えられているかもしれません。
私が暮らしているピエモンテ州では、民主党を中心とする中道左派と自ら中道派と称する中央民主党が支持するメルツェデス・ブレッソさんとその支持政党グループともども優勢のようです。
ところでピエモンテ州議会議員は、2009年段階では63名で、政権を握る中道左派の中心となる民主党が21議席、これに続いて、ベルルスコーニ首相が率いる「自由人民」が17議席、それに次ぐのは組合運動の伝統もあって共産主義再建党の4議席、そして北部同盟が3議席です(前回選挙時には、左派も右派も統合前だったので、2005年の選挙のときの政党名は異なっています)。2005年には、保守系の前職をブレッソさんが破って当選したのですが、今回もブレッソさんが優勢のようです。(写真は、それぞれ選挙用のホームページからとってきたものですが、左から、ブレッソさんと民主党のロゴ、ブレッソさんの選挙バス、対抗馬のコータさんと支持政党[北部同盟、自由人民]のロゴです。)
さて、全国的にみると、13州の選挙のそれぞれで、多少の変化がありそうですが、今のところ2005年に左派が獲得した10~11州程度は、民主党を中心とする中道左派政権あるいは連携する中道の民主主義中央党が確保しそうですし、保守側
も中道右派として2~3州程度は勝ちそうだと伝えられているようです。2006年の国政選挙で躍進した左派が、2008年の国政選挙で失った信任を取り戻すチャンスということになりますし、ベルルスコーニ政権にとっては、前々回の国政選挙を 2013年に再現させないためにも頑張りどころということでしょうか、首相自身は、極めて楽観的に予想しているようですが、さてどうなりますでしょうか。一方の民主党は、この選挙で大きく得票率を上げて、国政選挙に結びつけたいところです。
以前に書きました通り、今回の選挙は、3年後の選挙の中間選挙の意味合いがあり、その趨勢で、次の政権の方向が決まると考えられています。とはいえ、直接的にこの選挙結果によって、大きな政治変動があるとは考えられていないと いうのが現状のようです。新聞各紙の論評を見ていても、確かにベルルスコーニ政権の評判はよくないのですが、しかしその高い人気は間違いないところで、スキャンダルや裁判騒ぎで票を落とすとしても、当面政治は変わらないというのが 一致した見方のようです。この選挙結果を受けて、よほどのことがない限り、国会の解散選挙は考えにくいというところのようです。
(そろそろ筆者も半年間のイタリア滞在を終える準備に入らなくてはならなくなりました。ここでイタリア通信を完結とさせていただきます。)
2010年4月12日月曜日
新川達郎のイタリア通信15号~いよいよ投票日~

3月28日、29日は、いよいよイタリアの13の州政府選挙の投票日です。このひと月の間に、各政党そして候補は、熱心に選挙運動を進めていました。選挙運動の基本は、テレビやラジオなどの電波メディアと、新聞広告や印刷物、そして政治集会です。インターネットも活用され、政党のものは常設的に、そして立候補者のものはこの時期に集中的に候補者名をアドレスにして、有権者に訴えかけています。
選挙運動にあたっては、もちろん電波や通信ネットワークも重要ですが、意外に重視されているのが、ポスターの掲示とパンフレット類です。ポスターも、選挙運動期間中になると市町村が掲示場を設けてそこに貼りだすものもありますが、面白いのは、バスの側面や後部に、候補者名や政党名を書いて宣伝している場合があります。また、人が集まる野外市場や休日などには、各政党がそれぞれのテーブルを屋外に設けて、パンフレットを配ったり、呼びかけをしたりしています。ブラ市では、水曜日と金曜日の午前中に町の広場にマーケットができて、あちこちからトラックが集まり、衣料品、家庭用品から、野菜果物、魚、肉、ハム、チーズ、お菓子、生花などがいくつものお店で売り出されます(ちなみに我が家も買い物の多くをこのマーケットに頼っていました)。選挙戦もあと2週間となると、このマーケットのときに合わせて、各政党や候補者の運動員が集まり、パンフレットを配ったり、選挙運動用の小物を配ったりしています(お菓子らしきものが入った小さな包みを配っていました。いわゆる選挙グッズですね)。 パンフレット類と書きましたが、これは、本当にいろんなかたちのものがあります。立派な冊子に近いようなものを配布する政党や候補、、手に取りやすい名刺サイズの4ッ折りくらいにしたものもあります。広げるとA3サイズのものから、A5を折りたたんだものまでいろいろです。形も長方形、細長いもの、正方形に近いものなどいろいろです。色は、各政党のカラーもあるのですが、こちらも候補者の独自色が文字通りあるようです。デザインは、もちろんさまざまで、候補者の写真を大きく載せたもの、なかには上半身裸で、健康そうな様子を誇示しているやや高齢の方もいます。
宣伝の内容もそれぞれです。政党の主張、候補者の紹介なども一応ありますが、面白いのは、各候補者が、自分の名前を書いてもらうように宣伝している点です。そしてその名前を書いてほしいという宣伝は、もっぱら地元に向けてのものが多いのです。日本の選挙にも地盤という言葉がありますが、比例代表制をとるイタリア州政府選挙でも、地元は大切で、そこで自分の名前をしっかり書いてもらって当選しようというわけです。それもあってか、地元のためになる候補者という、どこかで聞いたことのあるようなフレーズがしばしば出てきます。この地域をこんな地域にする、こんな公共事業をもってくる、新しい施設をつくる、鉄道や道路の整備をするといった具合です。
私が住んでいるブラ市は、ピエモンテ州のクネオ県にありますが、旧郡の単位でいうとランゲとロエロに挟まれた地域です。小都市が多い農村部ですので、交通基盤や産業施設などの整備、また自然環境を守るといった方針が多くなるようです。そこで候補者は、その出身地のためになる候補という意味を込めて、あれこれの政策(利益誘導策)を示して、「ランゲのために」私を選んでほしいといったフレーズを多用することになります。そして、パンフレットには、投票用紙の書き方を示して、自分の政党のシンボルにマークをするように、またその横に個人名を書くようになっているのですが、自分の名前を記入して、こう書いてくれとしています。
さて、この選挙結果はどうなるのでしょうか。(今回の投票用紙のサンプル【画像はクリックすると拡大表示します】は、エミリアロマーニャ州の保守系候補のサイトからとってきました。前回のものと違って、政党のマークに‘ばってん’が入っていること、その横に名前を書いていることがおわかりになるでしょうか。‘ばってん’をすると、その政党を選んだことになります。そしてその横の記入欄に個人名を書くとそのひとの得票にもなり、ご本人は選出のチャンスが高まります。)
2010年4月9日金曜日
新川達郎のイタリア通信14号~投票はどうなっている?~
イタリアの地方自治体の選挙では、自治の政治制度にもとづいた投票方法になっています。イタリアの地方自治体では、首長とその与党の政党グループを選挙で選ぶことになります。たとえば、今回の州政府選挙では、投票用紙は、政党のシンボルマークを同じ大きさの○内で示し、その横に候補者の名前を書く欄を設けてあります。いくつかの政党が支持する知事候補者の名前は、政党グループ名を横書きで何段かにまとめて、その左横に候補者氏名が書いてあり、そこにもマークすることができるようになっています(写真はイタリア内務省が、サンプルとして出している写真で、各級の選挙の違いがお分かりいただけるでしょうか)。2010年4月8日木曜日
「条例」はどこにあるか? その最終回~条例づくりの基本とは~
これまで11回に分けて、例規検索の現状と具体的な方法について、ネットの活用法に絞って考えてきました。
昨今のICT政策の進展はめざましいものがあり、この分野での情報収集の利便性の向上をもたらしました。
けれども、ネット上の情報収集は、今まで書いてきたように問題点があり、発展途上のものです。ネット上の情報は大いに活用すべきですが、同時にその不十分さ、限界を常に心得ている必要があります。
ネット上で先進的な条例を見つけても、条例文だけに飛びつくのではなく、関連情報を収集する必要があります。
そのような関連情報を得るためには、ネット上の情報だけではなく、図書館や議会事務局を活用して、関係する書籍・新聞記事・雑誌論文などを丹念にあたっていく必要があります。専門家の活用も時には必要になります。また実際に条例制定を考えるならば、先行して制定済みの自治体に問い合わせをすることになるでしょう。
そして何より、探してきた情報は担当課はもちろんのこと、広く市民と共有することが当然の務めであり、条例制定を後押しすることにもつながります。
ネット上でいくら面白そうな条例を見つけたとしても、それをパソコンで行うコピー・アンド・ペーストの操作のように、条例文だけを自分の自治体に当てはめることは無理です。仮に条例が成立したとしても、担当課や現場の市民に混乱をもたらすことになりかねません。
これから「自治立法」としての条例の役割・政策効果は、いよいよ大きくなってきます。そうなったとしても条例づくりの基本は、市民の日々の暮らしと自治体活動の現場(立法事実の把握)にあることはいうまでもありません。(了)
2010年4月2日金曜日
「条例」はどこにあるのか? その10~対象を絞って、最後は自分で探す~
ここまで、既存の政策分野別に条例DBや制定状況を提供しているサイトのうち、網羅的で充実感のあるものを紹介してきました。
既存のサイトを活用することで、全国的な条例の状況を確認したり、関連する付加情報を得たり、見落としている条例を発見できたりします。その一方で、情報に深みがなかったり、求める政策分野の条例について取り上げているサイト自体が存在しなかったりすることもあるでしょう。
その場合には、まずは一般的な検索サイトで、「(政策分野)+条例」と検索した上で、そこで挙げられた条例をピックアップして再検索します。
例) ①検索サイトで、「公契約 条例」で検索する。
⇒千葉県野田市の条例や兵庫県尼崎市での議員提案の動きがあったことが表示される。
②さらに、「公契約条例 野田市」で検索する。
⇒同市の公契約条例に関する情報が表示される。
さらに詳しい情報を獲得するためには、条例を制定していたり、制定の過程にある自治体のサイトにアクセスし、検索を深めたりするのも一つの方法です。条例についての審議会の動きやパブリック・コメントで提供された資料、議会での審議動向といった関連情報が得られることがあります。
2010年3月28日日曜日
新川達郎のイタリア通信13号~選挙の手続きはどうなっている?~
この春の地方選挙は、前にもお伝えしたように、半分以上の州政府の選挙が行われます。そして、2008年初めに行われた国政選挙の中間年(解散がなければ次の国政選挙は20013年)にあたりますので、その帰趨で次の国政も決まると考えられています。特に中道左派を糾合しようとしているイタリアの民主党にとっては、ベルルスコーニ中道右派政権のスキャンダルもあって、政党としての勢力を拡大する絶好の機会と映っているようです。
州政府選挙の手順は、各政党による候補者リストの作成からはじまります。州政府の選挙では、州知事とその多数は与党になるグループを一体的に選出する方法をとります。これは県や市町村でも同じです。なお、国政選挙でも、トップリーダーを立てて、政党連合同士の争いをして、多数派を技術的に形成するという選挙システムが機能していることは同様です。
さて、今回の州政府選挙では、各政党とその連携勢力は、2月中旬までに各党の候補者、リーダー(知事候補)となる人物選び、連携相手の交渉を済ませなければなりません。各党の届け出は、選挙運動が本格化する投票日の30日前(法定の選挙運動期間)に行うことになっており、郡の管区中央事務局に届け出がされます。この届け出は、2月26日の金曜日午前8時から午後8時まで、27日の土曜日午前8時から午前12時までになっています。なお、リストの訂正は後日できますが、これも委員会の決定を待たなければなりません。いよいよ本格的な選挙運動の開始です。
さて、投票は、3月28日日曜日の午前8時から午後10時までと29日月曜日の午前7時から午後3時までになっています。さらに、地方選挙独特の方式ですが、州政府選挙では、有効票数の50%を超える絶対多数を取らないと政権担当ができない仕組みになっています。そこで、6月には2回目の投票が行われるスケジュールになっています。もちろん、1回目で50%を超える得票があれば、2回目はありません。
このピエモンテ州でいえば、現職のメルツェデス・ブレッソさん(余計かもしれませんが女性ですし、ブラ市長もそうですし、女性の首長は結構たくさんいらっしゃいます)が、民主党や中道左派のグループと一緒に出馬していますし、対抗馬としてはロベルト・コータさんが北部同盟のメンバーですが中道右派と連携して出馬しています。そのほか2人のり候補がありますので、仮にですが、1回目の投票でブレッソさんが50%超をとれなければ、2回目の投票におそらくブレッソさんとコータさんが進むことになります。なお、2回目の投票に向けて政党の連携リストを組み替えることが認められています。
2010年3月27日土曜日
「条例」はどこにあるのか? その9-②~民間団体が提供する条例検索サイト~
民間団体が政策分野別に条例DBや制定状況を提供しているサイトを紹介します。(一部に会員登録が必要なものがあります。)
☆情報公開データ提供システム(NPO法人 情報公開クリアリングハウス)
[http://www.clearing-house.org/]
★「常設型」住民投票条例([国民投票/住民投票]情報室)
[http://www.ref-info.net/]
★議会基本条例情報(自治体議会改革フォーラム)
[http://www.gikai-kaikaku.net/gikaikihonjourei-info.html]
☆部落差別撤廃・人権条例一覧(社団法人 部落解放・人権研究所)
[http://blhrri.org/kenkyu/data/jourei_n/jourei.htm]
☆男女共同参画条例の一覧(財団法人 地方自治総合研究所)
[http://www1.ubc.ne.jp/~jichisoken/archive/gender/index.html]
☆国内外の障害者差別禁止法・条例(財団法人 日本障害者リハビリテーション協会)
[http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/law/anti/index.html]
★子どもの権利条例等を制定する自治体一覧(NPO法人 子どもの権利条約総合研究所
[http://homepage2.nifty.com/npo_crc/siryou/siryou_jyorei.htm]
★青少年条例リンク集(「有害」規制監視隊)
[http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyourei/link.htm]
☆非核・平和に関する地方自治体の条例(非核の政府を求める大阪の会/2005年7月最終更新)
[http://homepage1.nifty.com/nakanishi-law/hikaku/local/japan/jorei/jourei.japan.index.htm]
☆ecoBRAIN 環境条例Navi(第一法規株式会社)
[http://www.daiichihoki.co.jp/dh/product/603969.html]
2010年3月19日金曜日
「条例」はどこにあるのか? その9-①~国や自治体が提供する条例検索サイト~
条例を横断的・網羅的に検索してくれるサイトは、このような状況ですが、政策分野別に条例DBや制定状況を提供しているサイトがあります。
検索する政策分野が決まっていれば、検索サイトを利用する前に、アクセスしてみると便利です。条例文だけでなく、制定の背景事情や条例の分類・分析方法といった関連情報も得られることがあります。
以下、①国・自治体が提供しているもの、②民間団体が提供しているものに分けて、紹介します。(ただし、全てを網羅している訳ではありません。)
①国・自治体が提供しているもの
総務省では、全ての都道府県・市区町村を対象に、行政手続条例(パブリック・コメント制度を含む)、情報公開条例、個人情報保護条例の制定状況を毎年、調査して、報道資料として発表しています。
また、全ての市区町村を対象に新規施策を調査し、「市町村の活性化新規施策100事例」を報道資料として発表しています。この中に、新たな政策条例についての報告もあります。
★行政手続条例(規則等)及び意見公募手続制度の制定状況(自治行政局行政体制整備室)
[http://www.soumu.go.jp/main_content/000013165.pdf]
★情報公開条例(要綱等)の制定状況調査の結果(総務省自治行政局行政課)
[http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/16773.html]
★個人情報の保護に関する条例の制定状況(総務省地域力創造グループ地域情報政策室)
[http://www.soumu.go.jp/denshijiti/statis_3-1.html]
(参考)「市町村の活性化新規施策100事例(平成21年度地域政策の動向)」(自治行政局地域振興室)
[http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/19203.html]
また、自治体では新たに条例を制定・実施するする過程で、他自治体の条例を紹介するサイトが立ち上げられることがあります。
ここでは、代表例として、全国的な状況を把握する上で、充実感のある三重県松坂市と北海道札幌市を紹介します。
★自治基本条例に関する資料・リンク(三重県松坂市)
[http://www.city.matsusaka.mie.jp/machi/kihonjorei/data/index.html]
★子どもの権利の資料・他都市の状況(北海道札幌市)
[http://www.city.sapporo.jp/kodomo/kenri/L01_3.html]
2010年3月17日水曜日
新川達郎のイタリア通信12号~選挙の運営はどうなっている?~
いよいよイタリアの春の選挙の時期が近づいてきました。統一地方選挙ではありませんが、半数以上の州政府選挙と、県と市町村の選挙が多数おこなわれます。私が暮らすブラ市でも、先週の金曜日(3月5日)に、3月28日日曜日と29日月曜日に投票が行われるピエモンテ州選挙の当日の選挙立会人の指名選出が、選挙委員会の公開の会議の場で行われました。選挙の立会人の指名は、いずれも、どこに投票所があるのかを告示して、選挙委員会で決定することにしています。
イタリアの選挙委員会は、2層制で複数の市町村を含む郡の単位の選挙委員会と市町村の選挙委員会があります。郡の区域は裁判管轄の区域であり、裁判所に属する形で郡の区画と権限、機能が法律で定められています。選挙に際しては、裁判所に属する郡行政管区事務局に立候補の届け出や、その更正、あるいは不服申し立てをすることになります。郡の単位の選挙委員会は県知事またはその代理が中心に運営を行います。構成は知事またはその代理者、知事が指名する1名の正規委員と1名の補充委員、県議会が指名する3名の正規委員と3名の補充委員です。知事を含めて5名になりますが、関係公務員や軍人は除斥されています。郡の選挙委員会は、選挙の立候補者リストの審査と認可、選挙人名簿の訂正に関して市町村選挙委員会の決定に不服の場合の訴えに対する審査と採決が主な仕事です。なお、郡の選挙委員会の事務局組織は高等裁判所(控訴裁判所)長官によって指揮されています。
各市町村の選挙委員会では、その委員は市町村議会で選出されます。原則すべての市町村に選挙委員会と選挙事務局を置くことになっています。議員数が50人未満のところでは、選挙委員会は、市長と3名の議員です(補充の3名の議員をあらかじめ選んでおきます)。50人を超えるところつまり人口が50万人以上の都市では、8名の議員が選ばれ市長と合わせて9名の議員で編成されます。なお、議会内の少数派からも委員を選ぶことにしているため、少数派が選出されなかった場合には、多数派の最低得票委員に替えて少数派の最多得票議員を招聘することにしています(以前説明しましたように、議会議員選挙時に勝利した市長とその与党は制度上多数議席を占めることになりますので、これに対する配慮です)。
人口3万弱のブラ市では、4名の選挙委員会というわけです。市町村選挙委員会は、選挙人名簿の管理と更新を主たる権能とし、選挙事務局を率いて選挙実務にあたります。選挙にあたっては、投票の管理、ポスター掲示場の設置管理を行います。
選挙は、もちろんそれぞれの団体の選挙なのですが、選挙の制度については、統一的に国の内務省が法律にもとづいて基準設定を行い、各選挙の実施の方針を定めます。地方自治が原則ですから、地方選挙についてはもちろん助言や支援にとどまるといっていますが、実際の選挙のやり方などは、ほぼすべて内務省の指示に従っているといってよいでしょう。そして、その内務省の指示を現地で実行するのが、県知事で、法令にもとづいて、各種の通達や情報提供をするのも県知事の名前で行います。
2010年3月15日月曜日
「条例」はどこにあるのか? その8~条例検索サイトの種類~
検索サイトで、「条例検索」と検索すると、自治体横断的に条例を網羅して検索してくれるサイトがいくつか見つかります。
これらの条例DBサイトは、大きく分けて2種類あります。
1つは、条例文そのものをDBの中に組み込んでいるサイトです。(☆:条例文集録型)
もう1つは、条例名を紹介するだけか、条例名を紹介して条例文については各自治体のサイトにリンクをしているサイトです。(★:条例名リンク型)
前者の場合、そのサイト上に同じファイル形式で条例文が存在するので、同じ項目を比較することが容易にできます。なかには市町村合併により、廃止されて現存しない条例や改正前の条例まで掲載しているサイトもあります。ただし、このようなサイトは、更新が長期間されていないときには、旧い情報が掲載されたままになっているので、注意が必要です。
後者の場合には、リンク先の各自治体の情報はその自治体が提供する最新のものです。ただし、リンク先の条例文のファイル形式がそれぞれ異なるので、比較検討をする場合には、一度こちらに条例文を取り込んで、共通のファイル形式にする必要があります。また、せっかく気になった条例を参照しようしても、リンク切れやリンクミスになってしまうこともあります。
現在、日本国内では、条例を横断的・網羅的に検索してくれるサイトは、確認した限り、すべてが後者です。その点では、厳密な意味での条例DBサイトは存在しない、といえます。 その原因としては、DBのベンダーが複数あり、DBを自前で庁内構築した自治体のほか、外部委託先として大手2社を中心に複数社存在するためです。それぞれにDBのファイル形式が異なるため、現時点では簡単に相互利用をするのは難しく、今後の技術革新に期待するところです。
2010年3月13日土曜日
新川達郎のイタリア通信11号~ブラ市の地方自治 その2~
ブラ市には、前回報告申し上げたように、日本と同じように、執行機関と議決機関があり、もちろん、議会が議決機関です。執行機関は、市長ですが、そのほかに6名からなる市執行委員が任命されて、行政の各部門の運営を分担します。環境とか、都市計画、農業、文化、などといった具合です。いわば、市の内閣だと考えていただいていいでしょう。戦前、日本の都市にも大正期あたりまで市参事会制度というのがありましたが、それに近いイメージでしょうか。ただし、委員の正式名称はassesoreで、評議員と訳されますが、伝統的には、補佐役という意味もあります。
市長は、ブルーナ・シビッレさん、女性です。市長の行政担当分野は、安全と市民参加、都市計画、観光と地域振興、男女機会均等、総務、組織と法令、衛生と保健健康などです。執行委員のなかにおかれる副市長はマルチェロ・ルッソさんで、エコロジー、環境政策、エネルギー政策、農業、産業と中小企業・手工芸を担当しています。そのほか、6人の委員が担当するのは、「家族政策、財政規律、学校教育サービス、職業訓練など」、「公共事業、学校建築」、「文化、人事、自治政策、言語の遺産とピエモンテの伝統の振興」、「道路と交通、周辺集落関係」、「技術革新、スポーツ活動推進、商業と市場、青少年政策、労働政策など」、「委託や入札による公共サービス、戸籍、市民の地位と権利保護、市財産と出納会計」となっています。
議会は、委員会制をとっており、政策分野ごとに多数の委員会が設けられています。法規委員会、議会規律委員会、道路(土木)委員会、税財政委員会、都市計画委員会、委託サービス委員会、公共事業委員会、社会的扶助委員会、環境委員会、死亡者警察委員会といった具合です。小さな自治体ですが、議会の仕事は、結構多いなというのが印象ですね。なお市長は、議会のメンバーであり議会に行政執行状況を報告する義務を負っています。
もちろん行政運営は市長と執行委員に委ねられているのですが、法律にもとづいて、5年間の事業計画書を用意する必要があります。これも日本の総合計画制度みたいですね。そこには、5年間(任期に合わせてあるようです)の計画が、経済、雇用、環境、安全、社会福祉、文化、学校、家族、連帯などの項目ごとに、基本方針と行動項目を掲げてあります。数値が入っているわけではないのですが、かなり具体的な目標が言葉で書かれています。
地方自治の制度は、民主主義の制度として世界中で似たり寄ったりのところと、政治文化や風土によって根本的に違っているところと、両方があって本当に面白いですね。
2010年3月2日火曜日
新川達郎のイタリア通信10号~ブラ市の地方自治~
さて、ブラ市には、市長はもちろん一人ですが、議員は20名います。議員の所属政党は、小党分裂状況でバラバラですが市長を支援したグループが、選挙制度からいえば当然ですが、過半数(60%)を占めます。日本ではよく問題になる議会の首長与党・野党の図式が、制度的にできているということです。
市議会議員が20名と申し上げましたが、実はこれは法令で決まっています。住民が100万人以上になると60人、3千人以下だと12人という具合です。ブラ市は3万人弱の住民ですので、1万から3万の間の自治体の議員数20人というのが現状です。正確に確認はしていないのですが、日本のように定数削減の制度はないようです。このうち、選挙の際の市長を支援する政党・候補者グループに属していたのは、議長、副議長を除いて10名ですが、これも制度的に過半数になるように法で定められていることによります。
市議会議長はファビオ・バイロさん、副議長はバルター・ベルジェシオさんです。政党は、本当にいろいろで、また所属議員の立場もいろいろで、小党分裂の離合集散が激しいイタリアらしいなと感じ入っているところです。中道左派系統からみていくと、国政では有力ですが民主党は1人、グイド・ガイア(大地の案内党とでも訳すのでしょうか?)2人、ブラの預言者3人、ブレラ左派1人、ブラの約束1人、中道右派系統では、キリスト教民主同盟自由クラブ1人、ブラプロジェクト3人、現首相支持派の自由人民4人、北部同盟1人、ピュラーとブラの未来1人、明日のブラ1人、となっていて、欠員1名のようです。何ともよくわからないグループがあって、日本の議会内会派よりも、もっと分裂錯綜した状況かもしれませんが、これをとりまとめているのが、やはり市長与党議員(選挙で支援を表明した政党グループ)で、これが、右派にも左派にもいるんですね。
もちろん、ブラのような小都市の政治は、大都市や州の政治とは異なっています。ローマ、ミラノ、トリノ、ナポリなどの大都市や州の政府の選挙が、国政選挙と同様に、中道左派系と中道右派系の政党グループ間で戦われるのとは、やはり違っているようです。日本では、さしずめ、地方自治に政党は不要などという議論になるところかもしれませんね。
どのように市政が運営されているのかは、また、次回ということにします。
2010年2月23日火曜日
新川達郎のイタリア通信9号~地方選挙はどうなっているの?~
地方選挙の現場にはまだ立ち会っていなので、それがどんなふうになっているのかは、改めて報告したいと思います。とはいえ、この春にはピエモンテ州はじめ13州の選挙があります。メディアでの報道や各政党の運動は、すでに活発にはじまっています。ですが、ブラでは、候補者のポスターが繁華街に貼られているくらいで、格別町のなかで目立った動きはありません。選挙関係法令によって、選挙の30日前から選挙運動が始まりますので、まだ前哨戦で、ポスター程度ということでしょうか。ここブラは、小さな町ですから、そんなものかもしれませんが。
さて、市町村の選挙方法ですが、人口によって異なっています。前回お話ししたように、市長と市議会が直接公選される方式なのですが、人口1万5千人までの市町村では、すこし選挙方法が違っています。選挙に際しては、市長候補者とそれを支援する政党グループの議員候補者リストが作られます。A市長候補とそれを支持する政党(複数の政党が政治することも多いようです)、B候補と支持政党(ある候補者を当選させたいということで、その候補者名を冠した政党が支援することもあります)、以下同様に立候補者が、競争選挙をすることになります。そして、相対多数をとった市長候補者が当選し、その支援政党リストが議員の定数の3分の2を自動的に配分されます。得票数ではなく、勝利政党グループへの枠配分になります。
敗北した政党リストには、残りの3分の1の議席が、得票に応じてドント式で配分されます。なお、市長候補者の得票が同数になった時は、その2者間で決選投票、それでも同数のときは年長者が当選となります。
ブラのように人口1万5千人以上の都市でも、首長と政党グループに投票するのは同様です。ただし、市長候補者のいずれかが、有効投票の50%を得られなかった場合(絶対多数)には、上位2者による決選投票が行われます。勝利した政党グループには、議席の60%が配分されます。敗れた政党グループには得票に応じて、残りの40%の議席が比例配分されます。いずれにしても、市長候補者と政党グループは、それぞれに声明を出して、支援・被支援関係を宣言することになっています。これによって、ばらばらになりがちの政治状況を、多数派で統合していく仕組みが出来上がるという点では、イタリアの国政選挙と同様です。 この仕組みの特徴は、執行機関と議会とが法的にも政治的にも一体となっているという点です。市長も政治性が強いですし、同時に議会との関係が一体ですので、議会の意向は重大です。議会との関係がうまくいかなくなれば、簡単に解散選挙ということになります。もちろん、国政の政治リーダーのしくみと同様で、有力な市長候補者には、各政党の連合にも大きな政治的影響力をもった人物がなることが多いですので、いつも解散含みというわけではありません。
2010年2月22日月曜日
「条例」はどこにあるのか? その7~条例を見比べるには?~
さて、「自治立法」の制定にあたっては、首長提案を受けるにしても、議員提案によるにしても、次の2点を踏まえておく必要があります。
1つが、新たに制定しようとする条例と同じような条例をもつ先行自治体がないのか、確認する必要があります。そのような先行自治体の取り組みから、学ぶものがあるでしょう。
もう1つが、既に定められている例規(市町村の場合は包含されている都道府県の例規も一緒に)に、新たに制定しようとする条例に政策領域や対象、手段が重なる例規があるかどうか、確認することです。政策領域や対象、手段の重複が予想される場合には、相互の調整が不可欠です。
このような、事例の検索や例規の調整に、例規集の電子化・ICT化は、とても利便性を高めてくれます。ただし、繰り返しになりますが、すべての自治体の条例を把握している機関やDBは存在しません。
2010年2月19日金曜日
新川達郎のイタリア通信8号~地方自治体の運営は?~
ブラ市の自治の話をわかりやすくお話しする前提として、イタリアの自治体運営の仕組みについて少し触れておきたいと思います。これも、専門外のことですので、素人の間違いはご容赦ください。
地方自治制度としては、ブラも含めて市町村は市長と議会という代表民主制をとっています。デュヴェルジェ風にいえば、準大統領制型代表民主制ということになりましょうか。アメリカ大統領制型ではなく、首長と議会とが一体の例が多い欧米型に近い制度です。つまり、市長は、一応は選ばれるのですが、市議会のメンバーでもあります。市長・議員の被選挙権は、イタリア共和国の有権者であること、18歳以上であること、住所要件は不要なことなどです。首長・議員の任期は5年です。この市長がいわば閣僚(評議会評議員と翻訳されることが多いのですが、執行委員といった方がよいかもしれません)を指名して、執行部を形成するのです。もちろん議会による首長の不信任が議決されると、首長も議会議員も改めて選挙ということになります。
市長と議会議員は住民によって直接選挙されるのですが、これも特徴があります。イタリアの政治制度は、今では、完全比例代表制による議会議員選挙と、小党分裂状況ですので政党の連合グループによる議席争いで知られています。それは地方選挙でも同様です。ただし地方選挙の首長の選び方は、少し違います。国の大統領が国会議員や各州代表によって間接選挙されるのに対して、直接選挙になっています。ただし選挙のシステムは複雑で、ブラ市の場合も、中道左派、中道右派が軸となって、政党連合を組んで、市長候補を掲げて、選挙戦を戦います。その政党と候補者の提携状況は、市長候補とそれを支援する複数の政党グループの議員候補者のリストとなっていて、それらのリストのなかから、住民が直接公選するという形式をとります。有権者は、市長候補と支援する政党あるいは候補者を一体として選ぶこともできますし、それぞれ別々に選ぶこともできます。 市長と市議会を置く制度になっているにもかかわらず、選挙の方法は、日本と全く異なっていますし、結果的には政治的な配置も違った状況にあります。このように、長と議会とが近い関係にある場合には、どのような地方自治の運営になるのか、日本との対比でも興味深い点です。ですが、この点については、またあらためて選挙の方法を少し詳しく報告します。
2010年2月13日土曜日
新川達郎のイタリア通信7号~EUの財政問題から考える~
2月6日土曜日は、当地ブラ市ではカーニバルで、仮面や仮想の姿で、老いも若きも夜中まで遊んでいました。ベネチアの仮面が有名ですが、こちらでも、寓話を題材にした大型の張りぼて人形を、農業地帯らしくトラクターでひいた台車に乗せて来ていました。若者(子供たち)による仮装のダンスグループも近在から集まって、ダンスコンテストさながらです。魔女の衣装、子鬼の装束、豚のきぐるみなど、それぞれに工夫を凝らしていますが、ダンス音楽は今風のラップが多かったように思います。
さて、ブラ市の話は一休みをさせていただいて、このところのヨーロッパの話題の一つである財政危機について、気になっていましたので、少しだけお話させていただきます。ご承知の通り、ギリシャの財政数値のごまかしに続いて、ポルトガルやスペインの財政危機が伝えられるなかで、それらがEUの経済や通貨の信用に影響を及ぼしはじめています。ユーロ安や各国の株安にもつながっているようです。
このイタリアも財政事情は決してよいわけではありません。政府の債務総額は、国内総生産の117%に達しようとしています。とはいえ、ベルルスコーニ首相は強気です。先日(2月5日)もインタビューで、イタリアは経済危機を健全に乗り越えつつあり、これまで増税をすることもなく、国民生活や雇用問題に対処できてきたことを強調していました。とはいえ、EU各国の経済問題は、当然、共通市場にあるイタリア経済にも波及しますので、安心してはいられないはずです。
一方の日本はどうでしょうか。2007年度で国内総生産の117%の政府債務残高を抱えているイタリアと、170%を超えている日本とでは、もちろん事情は違うとしても、どちらも安心してはいられないはずです。日本の新年度予算案は、国債発行が51兆円といわれていますが、財政収入の半分以上を国債で占める状況です。財政規律至上主義はいけないという実体経済面からの議論もありますが、その一方では、そうした財政を必要とするような経済運営とそれに応じた財政運営を考えるという枠踏みは、縮小する経済と社会の将来見通しのもとで、そろそろ卒業する時期かもしれません。
もちろん一挙にグローバル化した市場経済体制から離脱せよなどと言っているわけではなく、資源問題や環境問題を見据えつつ、将来の衰退を見通した戦略を立てるよい機会なのではないかということを指摘したいのです。EUやBRICsのように拡大を目指す経済体制もありますが、日本は幸か不幸かそうした方法をとらないできました。とすれば、日本の社会経済独自の将来戦略があってもよいのではないでしょうか。
2010年2月8日月曜日
「条例」はどこにあるのか? その6~自治立法の広がりは条例検索の広がり?~
条例は、自治体の区域内のみで効力を有し、「法令に違反しない限りにおいて」(地方自治法第15条)制定できる自治体独自の法です。1999年の地方分権一括法の成立までは、ややもすると国の法律や政省令(命令)の施行規則・処理準則として法令の一部のように捉えられてきました。これらの条例は、国の所管省庁が「モデル条例」を提示し、それにもとづいて首長部局から条例案が提案されてきました。
この種の条例案の審査にあたっては、根拠法や近隣自治体や類似自治体の状況が、首長部局から提供されることもありますが、議会ではすでに「モデル条例」が示されてしまっているために、自治体としての創意工夫の余地はあまりなく、審査の内容が条例案自体よりも実施にあたっての意見・要望に比重が置かれます。それ以前に、議会が委員会審査を省略して、実施的な検討をしないことさえあります。「モデル条例」は、議会審議の空洞化をもたらす一因になってきました。
しかし、実際の自治体活動の現場においては、都市化の進行により、地域固有の問題が発生し、その解決が迫られてきました。国の法律に従って行政を執行しているだけでは、それらの地域課題は解決できず、条例を「自治立法」として考えて、自治体独自の立法による解決を目指す取り組みが展開されています。
また、地方分権改革の進展と前後して、自治体議会が議員立法によって政策条例を制定したり、議会基本条例などの議会のあり方・位置づけを自ら決めるために、条例を制定しようとしたりする動きがはじまっています。これらの動きも、条例を「自治立法」と考える一環でしょう。
その証左として、これらの条例のうち、自治基本条例、議会基本条例、人権条例など「自治立法」として特に重要と考えるものには、「前文」が付けられることが増えています。条例については従来、「条例に前文を設ける必要はない。」「法令の一部として,直接の法的効果をもたない精神的・政策的文章を織りこむことは邪道であり,悪趣味以上のものがある。」(山本武『地方公務員のための法制執務の知識』ぎょうせい1999年)とする見解が強かったのですが、あえて特に重要な条例に前文を付けることで、自治体の基本法として位置づけをもたせるようにしています。
このような「自治立法」の制定こそ、議会独自の権能を発揮する場であり、「議員力」「議会力」が試されるのではないでしょうか。