2009年12月5日土曜日

議会のヤジ・その1~ヤジにも「良い」「悪い」がある?~

 議会にヤジはつきもの、といわれます。多くのみなさんには、国会中継でおなじみかもしれません。もちろん、地方議会でも「ヤジ」は、たくさんあります。
 一般的に、人の話はまず黙って聞くものです。なので、なぜ「ヤジは議会の華」といわれるのか不思議かもしれません。はじめて議会を傍聴に行った人から「あまりにヤジがひどくて、気持ちが悪くなった」と聞いたことがあります。
 「質問の程度が低いぞ」「てめえ、いい加減にしろ!」「何年議員やってんだ」「お前なんか、人間として劣っている」などなど…言われた本人だけでなく、ヤジをあびている発言者に日ごろ批判的な議員でさえ、聞いていられないようなヤジがあるのは事実のようです。
 では、静かな議会が、よい議会なのでしょうか。発言者と首長(や部課長)が、淡々と当事者同士だけでやり取りをして終わる。20人も30人も議会にいるのに、しーんと静まりかえったままのなかで2人しか話をしていない。それが「議論の場である議会」といえるのかどうか…
 もちろん、発言を妨害したり、人格を貶めるヤジは言語道断です。議場は一般社会と同じですから、そんなヤジは許されるわけがありません。ヤジは発言する者の人間性が表れるといえます。ヤジは「不規則発言」と呼ばれ、あくまでも私語です。あまりにひどい場合、懲罰の対象になります。
 しかしヤジは、発言を聞いているからこそ生まれるものともいえます。何十人もいる議会で、まったくヤジがなかったとすれば、もしかするとまったく聞いていないか、寝ているのかもしれません。異論があったら何か言いたくなるのが人の常、ヤジがない発言には、異なった見解をもつ議員を苛立たせるような本質とでもいうべき内容をもちあわせていないからではないのか、と言ったらいいすぎでしょうか。