2009年11月17日火曜日

新川達郎のイタリア通信0号~なぜか、イタリアから~

 在外研究のために、半年ほどイタリアに滞在することになりました。この機会に、イタリア事情やイタリアから見える日本について、身辺雑記風になると思いますが、報告できればと思います。何のためにイタリアにいるのかは、今後機会を見つけて説明できればと考えているところです。
 私自身は、イタリアの政治や行政それ自体を専門にしているわけではないので、正確にお話しできるかどうか自信はありません。ですが、イタリアの政治や地方政治については、日本でも紹介は少ないようですので、そこから、まずは始めたいと思います。ニュースになるのは、ベルルスコーニ首相の失言やスキャンダル問題が、最近の話題でしょうか。
 オバマ大統領夫妻についての日焼け発言は、その後も止まらず、差別主義者かと思われているというような、比較的冷静な報道もあります。女性関係は、前の奥さんによる暴露本や、若い女性との関係の否定発言など、これまた、いろいろです。政治的には、国会議員の任期中の訴訟手続き停止法が憲法違反とされ、首相自身がかかわる偽証問題の裁判が進む可能性が出てきていて大変です。
 しかしながら、面白いのは、ベルルスコーニ首相に対する非難合戦はあまりありません。個人的にイタリアの人に聞くと何とも困ったことだという表情なのですが、その一方では、首相の個人的な人気は変わらず根強いものがあります。政治文化と言ってしまえばそれまでですが、もともとは既成権力からの自由を求める分権的な気風でありながら、他方で国家統合のための中央集権を望むイタリアらしいところも垣間見えます。そんなイタリア事情の報告ができればと思います。